前にちょろっと書きましたが
日航機墜落事故の際の日赤の看護師さんたちの奮戦を書いた
『救護体験記―60・8・12日航機墜落現場から 』
中越地震の際の、崩落した岩盤の中から2歳の男の子を救い出したプロたちのインタビュー集の
『ドキュメント 新潟中越地震 10.27 奇跡の救出 』
のように、「極限状態の中、プロたちはどう動いたか」ということに、とても惹かれます。
(そしてそこには人間ドラマがある)
今回の大震災でも色々ドキュメンタリーが出てきましたが、最近出版された
まさに極限状態の中のプロたちのドラマでした。
陸上自衛隊中央即応集団、中央特殊武器防護隊
警視庁機動隊、東京消防庁ハイパーレスキュー隊、国土交通省東北整備局、
内閣危機管理センター、福島県警本部等々の「現場のプロ」が、いかに動いたかを
プロ故の筆力で書かれています。
あの時、テレビで会見を色々観ましたけど、
「何を説明してるか分かる。信用します」と思えたのは
ハイパーレスキューの方々の会見 と、折木良一統合幕僚長の会見だけでした。
(対極:保安院、しゅしょー)
やはり、現場を経験しているトップは違うな、と。
日航機墜落事故の際、修羅場となった現場で奮戦した婦長さんは、東京大空襲の中
看護にあたった方々で
中越地震の時、レスキューにあたった方々は、阪神大震災の経験者でした。
だから、将来日本に何事が起きても「あの311で現場にいた」方々が現場のトップにいれば
きっとまた日本は乗り越えられる、そしてそれが国力というものだろうと、
そんな希望を抱ける本でした。
スーパーマンやスーパーヒーローなんて実在しないんだ、と心底実感した震災でしたけど
現場のプロの一人一人が、名も無きヒーローなんだとも実感する震災でした。
で、そんな方々に「これは総理の意向だ!」と二言目には言って
アレしろコレしろと現場が混乱する指示を出し続けた、
経産省の海江田大臣(国会で泣いたけど、泣きたいの現場だったろうに)と
「すべてを任す、国の代表と思ってあらゆることをやってくれ!」
と、現場の士気を高めた国交省の大畠大臣との差に、色んな意味で涙が出ました。
(本に詳しく書いてありました。暴言の内容とかも)
願わくは、次の総理は、有事に対応できる能力の持ち主であることを…