そもそも走るキッカケになったのはこちら 。
東京マラソンに出ることになったのはこちら 。
38キロ関門を前にして、
唯一、胃が受け付けるエネルギー源だった塩飴が尽きてしまった 。
もう、水しか飲めない。
水だけで残り5キロ、行けるのか…と
絶望したその時…
「塩飴です。どうぞー!」
えっ!?
塩飴!?(画像はイメージです)
37キロあたりの沿道で、若い女の子がザルに塩飴をたくさん入れて
ランナーに配っていたのでした。いわゆる私設エイドで、全くの善意。
ありがとおおおお!あなたは天使です。
ひと掴みもらい、右頬に一個、左頬に一個、それぞれ飴を含んで
走り出しました。(残りはポケット)
そう、私は今…頬袋にドングリをため込んだエゾリス。
行くぞー。
そう、目の前は38キロ関門。
通過ー。たぶん5時間40分くらい(ロスタイム17分含む)。
関門閉鎖が6時間16分。
がんばれ、自分。い、胃がつらいけど…。
声援「走りたくても走れなかったヤツがここにいるんだぞー!
俺たちの分まで、最後まで諦めずに走れー」
そ、そうだよ。今回の東京マラソンの倍率は、定員3万6千人に対して
10倍の申し込みがあったんだ。
私のようなニワカランナーは、せめて完走せねば。
声援「走ることを楽しんでー!笑って、笑ってー」
無理ですうう。
もう楽しめない。
…と泣きそうになった私が「あはははは」と笑ったのは
この場でも、目の前を走っていたハイボールとメンチカツ さんが
沿道で大人気で
「ハイボール!がんばれ!ハイボール」「メンチカツー!」と
熱い声援を受けていたのでした。
ありがとう、ハイボールさんとメンチカツさん。
おかげで、脱力というか、良い意味で力抜けました。
ミニスカポリス も「ミニスカポリスー!」「がんばれー!」と
熱い声援を受けてました(お隣にいた)
…とその時。
ものすごい横風が直撃したのです。
この日は強風で、ニュースになるくらいでした。
帽子を飛ばされるランナー多数。
へたすりゃ倒れそう。
私も必死に帽子を抑えました。
メンチカツさんを心配したのですが(形状的に)
横風だったので、受け流せたようです。良かった。
ミニスカポリスのスカートは大丈夫だったのだろうか。
そして41.5キロ地点の最終関門通過。
関門閉鎖は6時間53分。
腕時計を見て…。
1時間近くも余裕ある。
もう、歩いても這ってもゴールできる。
だけど…
せっかくここまで必死に走ってきたんだから
最後まで走っていこう。
東京ビックサイト前の交差点を曲がり…
ゴールゲートが見えました。
二段構えになっていて
42キロ地点に一箇所。
42.195キロ地点に一箇所。
二重で出迎えてくれました。
そのゲートが見えた時は、もうなんとも言えず。
「…」
ただ無言。
涙でゲートがぼやけてきた。
その最初のゲートをくぐり抜け
その次のゲートを、今くぐり…
私の42.195キロの旅も、やっと…
終わったのです。
タイムは…6時間22分と表示されてるけど、私のロスタイムは17分だから…
引いたら6時間5分くらいかな。
6時間は切れなかった。しょぼん。
でもいいや。
歩かずに完走できたんだ。
初フルマラソンでゲートくぐったら、どんな心境になるんかなー
泣き崩れたりするんかなーと興味津々だったのですが
実際体験すると、高校の卒業式の感覚と似てました。
「泣いて笑った青春時代の終わり」
のような。
ゲートをくぐった後は、
完走記念メダルを首に
完走記念タオルを肩にかけてもらえました。
その他にも色々もらえました。
バナナ、お水、アミノバリュー、ソイジョイ、
ミカン(ホテルで途中まで食べてから撮影してないことに気づいた)。
ゴール地点からビックサイトまでは、システマティックに進むように
導線ができてまして、私はまっすぐホテルに帰ろうと思ってたのですが
ビッグサイトに一度入らなければ帰れないようになってました。
(↑預けた荷物の受け取りを忘れている)
で、ビッグサイトに歩いていく最中、友人たちから次々に携帯に
「おめでとう」メールが入りまして…
街中勤務の友人「おめでとー!正直、無理かと思ってたよー。
同じく参加の同僚は4時間38分だったわ」
4時間38分…早い…。
鋭意育児中の友人「おめでとう!
あんたと出会った高校の入学式から今までのことが
こう、走馬灯のように目の前をよぎって、うるうるしちゃったよ」
わーん、なんか私もつられて走馬灯だよ。
つくば在住の大学時代の友人「おめー!携帯でタイムチェックしてたけど
ずっとペース走できてたね!あんなに苦しんでたのに。
報われて良かった」
え、ペース走できてたんだ。遅いなりに。
丸の内外資系OL&人妻「ゴール地点、観客は入れなかったから
ホテルのロビーで待ってる」
え、待っててくれたんだ。行かなきゃ。
ビッグサイトからホテルまで、歩いて数分だし。目の前だもんね。
なんて思ってたら…
正直、今回のマラソンでいちばん辛かったのは、ここからでした。
続く。