青森・「果て」を目指す旅。
「果て」を追求する私は、ついに
現世の果てまでまいりました。
目の前は三途の川。
今まで好き放題生きてきましたが、とうとう、この橋を渡る時がまいりました。
さよなら、現世…
しかし、この橋(太鼓橋と言うそうな)、すんごい急な角度。
あら、足が滑る。
…と、現世的な思考になった瞬間にスッ転びました。
痛い。
ということは、私はまだ現世にいるのだ。
そう、橋を渡った先は、現世にいながらにして、かの世界を体験できるような世界…
恐山 。
なんで来たかと言いますと、
ガイドブックを読んだら恐山が青森だと知った。
→恐山は比叡山、高野山と並ぶ日本三大霊場の一つ。
→比叡山も高野山も行ったことある
→行けば、めでたく三大霊場踏破
→しかも、冬期閉鎖があるので、中に入れるのは10月末までだそうな。
…というワケです。
比叡山も高野山も、大規模観光地な感じだったけれど、
こちらは…
わたし的感覚では、ほとんど観光ナイズされていない。
完全に別天地。
というか、かの世界に行ってしまったかのような。
実際のところ、イタコさんを見てみたいなという下心があったのですが
私、イタコさんって365日こちらにおいであそばすのかと思いましたら
年に数日、恐山の大祭の時だけなんですって。
しかし…
ここは…私のような…
おちゃらけミーハーが来るところではない。
親しい人を亡くした方が、かの国に旅立った人の姿を求め
哀しみを癒すために来る場所だ。
すみません、反省…。
…と広大な敷地をテクテク歩いていると…
小学校五年生の時に家に迷い込んできて、
それから17年共に過ごし、最期を腕の中で看取った愛猫が、そのへんから
「にゃー」と鳴きながら現れるような気がしてきて…
…
うう、涙出てきた。
ああ、もう紅葉始まってるなぁ。
そうだ、ここは現世だもんなぁ。
あれが宇曽利湖か。
ああ、この世のものとは思えぬ風景…
かの世界は、このようになっているのだろうか…
ちょっと俗世に戻ろう。
と、正門を出ますと、門の前に
アイス屋さんがあるのでした。
その名も合掌霊場アイス。
バナナ味、ヨモギ味、ブルーベリー味、と不思議なラインナップなのですが
300円で
ブルーベリーとヨモギのミックスにしました。
恐山盛り。
まずはヨモギアイスから。
…
なんというストレートな味…
例えるなら、砂糖水にヨモギを入れてミキサーにかけ
それを凍らせたような味…
こちらはブルーベリー…
なんというストレートな味…
例えるなら以下同文。
乳製品というより氷菓ですね。
いろんな意味で、現世離れしたひとときでした。
さて、また門の中に戻ります。
なぜなら今日はここに泊まるから。
続く。
★★★お店情報★★★
合掌霊場アイス
青森県むつ市田名部字宇曽利山3-2(恐山正門前)